今回、若者三人が「画廊企画によるグルーブ展をする」と云う。正直のところ、はじめは今の彼等が作品を発表するには少し早期のような気がした。しかし、彼等の現在の制作のなりたち(日常の身の廻りの「もの」や出来事に関する関心から造形表現をしている)と、今後の制作を考えると、今、発表することは有効な経験になると思った。画廊を通して社会と関わりながら、各自の思考と造形表現について再度考察することになる。発表することによって生じてくる諸々の問題を、彼等がリアルに体験出来るからである。その体験は彼等の現在の制作内容ときわめて重要な関係がある。彼等が今の立場で作品を発表するということは、作品をただ並べて人に見てもらうということではなく社会と関係しながら造形表現を学んでいくと云う制作姿勢が自分にとって、とても大切であると理解することである。僕は、彼等が積極的に画廊と接触することによって、制作姿勢を確認し将来の造形表現を学んでいくという方法は、何か新しい世界が開かれるような予感がする。彼等が制作し続けるかぎり、永い目で見守っていてほしい。
1995年 1月 吉日           多摩美術大学彫刻科教授        石井厚生

 

爆発で生まれた星の上
破滅に向かって繁栄し
速度を増し、地図を書き換え
全てご破算、絶えずゼ口
何処にも依存せず
多方向的重層的に
分節横断繰り返し
唯、浮遊する
          市川武史

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